公開日:2023/08/15
昔ながらの平屋住宅が近年再び注目されています。すっきりとしたデザインの平屋住宅は、見た目がよいだけではなく快適な生活を叶えてくれるでしょう。そして平屋を建てるときには、片流れ屋根にするのがおすすめです。この記事では片流れ屋根について詳しく解説していくので、平屋の建築を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
まずは片流れ屋根について詳しく説明します。片流れ屋根とは、片方だけに傾斜がある屋根のことです。今まで住宅の屋根は左右対称に傾斜がある三角形のものや四方に傾斜が広がる四角形のものが多かったですが、最近では片流れの屋根が人気を集めています。
傾斜が一方にしかない片流れ屋根は、外観をシンプルかつモダンな雰囲気に仕上げられます。傾斜の向きによって家のイメージを変えられるでしょう。
ゆるい傾斜であればコンパクトなイメージ、きつい傾斜であればダイナミックなイメージの家が建てられます。天井を高くできるので、広々とした屋根裏部屋を持つことも可能です。
高い位置に窓が設置できるため、十分な日光や風も取り込めます。片流れ屋根は家の外観をすっきりと見せるだけではなく、住む人の快適な生活にも役立ってくれるのです。
しかし片流れ屋根にするときには注意も必要です。左右対称や四方に広がる屋根はバランスが取りやすいですが、片流れの屋根は従来の屋根に比べてバランスが取りにくいです。屋根と家のバランスが取れていないと、公民館のような地味な雰囲気の家になってしまいます。
片流れの屋根を導入する際には、屋根の傾斜と軒に出る範囲が大切になるのです。片流れ屋根は、傾斜がきつくなればなるほど家とのバランスが取りにくくなってしまいます。軒に出る範囲が広すぎると、無理やり屋根を被せた感じにもなるでしょう。片流れ屋根にするときには、家とのバランスに気を配るようにしてくださいね。
片流れ屋根と同様に、近年平屋住宅も人気を集めています。横に広い平屋住宅は、空間にも気持ちにもゆとりある生活を叶えてくれるのです。平屋住宅はワンフロアに各部屋があるため、家族とのコミュニケーションも取りやすくなります。二階に子ども部屋や書斎があると、顔を合わせる機会も少なくなるものです。
掃除や家事が楽になるのも平屋住宅のメリットです。二階まで重い掃除機や荷物を運ぶ必要がなくなります。家事や掃除の動線もスムーズに作られるでしょう。
安定した構造も、平屋住宅の魅力です。地震や台風が多い日本では、災害に強い家が求められています。シンプルな構造の平屋住宅は、二階建ての住宅よりも強固な耐震性にしやすいのです。そして平屋と片流れ屋根は、とても相性がよいと言われています。
平屋の屋根を片流れ屋根にすれば、外壁が広くなり高い位置に窓をつけられます。窓を高い位置につけることで、より多くの光や風を取りこめるでしょう。家の中が明るく新鮮な空気に満ち溢れますよ。また、部屋の換気もしやすくなります。
しかし高い位置の窓は外からの刺激も受けやすいです。台風や地震に耐えられるような耐久性を持つものにしてくださいね。
最後に、平屋を片流れ屋根にするメリットとデメリットを解説します。
構造がシンプルな平屋と片流れ屋根にすれば、自然と施工費も安くなります。複雑な作りの家は、材料だけではなく人件費や車両費も多くかかるものです。
また従来の屋根は傾斜の数だけ雨どいが必要ですが、片流れ屋根であれば雨どいもひとつで済みます。片流れ屋根の傾斜を緩やかにすれば屋根裏を狭くなり、施工費をさらに抑えられますよ。
新しく家を建てるときに、太陽光発電を導入する家庭も増えてきています。片流れ屋根を持つ平屋住宅は、太陽光発電とも相性が抜群です。太陽光発電を十分に活用するためには、パネルの向きや角度が重要になります。
高額な費用を払って太陽光パネルを設置しても、場所によっては十分に活用できないでしょう。その点片流れの屋根であればより多くの太陽光パネルを適切な向きに設置できます。片流れ屋根にすれば太陽光発電を効率よく使用できるでしょう。
屋根裏部屋は使い勝手がよい空間のひとつです。片流れ屋根にすれば、広々とした空間の屋根裏部屋が設置できます。片流れ屋根の傾斜を緩やかにすれば圧迫感も少なくなるでしょう。隠れ家的な屋根裏部屋は、子ども部屋や趣味の部屋としてではなく収納スペースとしても活用できます。
平屋を片流れ屋根にすれば、ほかの家とは違うおしゃれでスタイリッシュな雰囲気になります。形やカラーにアクセントをつければ、オリジナルな外観も演出できますよ。
片流れ屋根のデメリットとして、雨漏りする可能性が高くなります。さまざまな方向に傾斜がある従来の屋根は四方に雨水が流れていきますが、片流れ屋根は一方にしか流れません。大雨が降った際には、傾斜を逆方向に流してしまう可能性もあります。傾斜と逆方向に流れた雨水は家の隙間に入り、雨漏りの原因となります。
雪が多い地域に片流れ屋根を設置するときにも注意が必要です。片流れ屋根にした場合、雪や雨は一方向にしか流れていきません。雪が屋根の上に積もれば、雪崩のように一度に落ちてしまうでしょう。屋根への負担も大きくなります。
雨どいが故障しやすいのも、片流れ屋根のデメリットです。雨どいがひとつになることで施工費は抑えられますが、その分負担がかかります。大雨が降ったときや雨が続いたときには、負担に耐えられなくなり故障してしまうこともあるでしょう。片流れ屋根の雨どいは、こまめに掃除やメンテナンスをしてください。
高さが十分にない片流れ屋根はまわりの家の日陰にもなりやすく、湿気もたまりやすいです。湿気をためないためには家の風の流れが必要になります。傾斜が数多くある従来の屋根は空気の循環もしやすいですが、一方にしか傾斜がない片流れ屋根は空気の循環がスムーズに行われない可能性もあります。
近年平屋住宅が再び注目されています。平屋住宅にすれば広々とした空間ができ、家事や掃除も楽になるのです。家族ともコミュニケーションが取りやすくなります。そして平屋住宅を建てるときには、片流れ屋根にするのがおすすめです。一方にのみ傾斜がある片流れ屋根は、スタイリッシュな印象を与えるだけではなく機能面にも優れています。施工費の節約もできるでしょう。平屋住宅の建築を考えている人は、ぜひ片流れ屋根を取り入れてみてください。より平屋住宅の長所を活かせますよ。